
怪奇幻想朗読百物語 第
夜 開催
第七夜までテーマを絞らずにやってきた百物語。今回、八夜目にしてはじめて設定したテーマは“落語”。落語というのは笑える滑稽噺ばかりではない。名人の腕の見せどころ、ほろりとさせる人情噺。そして怪談噺。世に知られた怪談というのは、じつは落語が元になっているものも少なくない。その落語から生まれた、あるいは落語で育った話を朗読に掛けてみようという試み。元来話し言葉で表わされた噺をわざわざ読む。もしかするとそのまま落語のスタイルで話すのか。どうなることやら。
朗読とは、はたして芸能になりうるのか。その手掛りが落ちているかも知れない。
終了しました。ご来場ありがとうございました。
■日時
2010年10月16日(土)17:00開演(16:30開場)
■会場
カフェばくだん畑
立川市富士見町2-12-3 (株)ホーミー 2F
042-522-2214
http://www.homey2.jp/
JR立川駅北口徒歩12分
■料金
2,000円(ドリンク・つまみ付)要予約
■演目・出演者
「悋気の火の玉」(矢内のり子)
「もう半分」(河崎卓也)
「紅い手(夢丸新江戸噺し)」(高山正樹)
- 「夢丸新江戸噺し」とは
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『旧来の古典落語の世界から一歩踏み出したテーマの骨太な人間ドラマ』を求め、三笑亭夢丸師匠が2001年より私費を投じて公募した中から選ばれた落語台本。受賞作品は夢丸本人により口演される。「紅い手」は味田恵理香 作による第8回(2008年度)受賞作品である。

―― 「文学の極意は怪談である」佐藤春夫 ――
怪談奇談・妖異幻想。古今東西怪奇譚百話を選りすぐってお届けする朗読会。
聞いて震撼、見て驚異。これは、世にも不思議なトワイライトゾーンに入り込んだ人間たちのドラマである。
怪奇幻想朗読百物語とは
篠笛奏者であり、数々の朗読会をプロデュースしてきた松田健仁の企画により、2009年より開催。“怪談を読める朗読者”による長期にわたる朗読会のシリーズである。落ち着いたライブスペースで軽く飲みながら楽しめる大人の朗読会。趣味の朗読者の発表会とは一線を画する質の高い朗読会をお手頃な料金で提供することを趣意とする。
そもそも百物語とは何か
文:松田健仁
<百物語>とは、一堂に会した人々が夜を徹して百話の怪異談を交互に語りあう催し、すなわち<怪談会>のことである。百話にちなんで百の灯心に火をともし、一話を語り終えるごとに一本の灯心を消してゆく。
百物語の起源については諸説あるけれども、武家の子弟の肝試しとしておこなわれていたものが、江戸時代になって町人層にも広まり、粋人の遊びとして洗練化され、泰平の世の猟奇趣昧にも合致して大いに流行したというふうに一般には考えられている。 それにともなって、百物語を紙上に再現する体の怪談本、いわゆる「百物語怪談集」が出現、近世怪異小説史にひとつの流れを形づくってゆくこととなる。
明治に入ってからも、もっぱら風流人士の間で百物語の伝統が命脈を保っていたことは、三遊亭円朝、森鴎外、柳田国男、泉鏡花、水野葉舟、岡本綺堂、畑耕一らの文芸作品を通じて、その実態を跡づけることができる。百物語に象徴される「怪談復興」の気運は、明治維新以来の欧化政策・合理主義への反発や泰西心理学への関心によって促進され、大正から昭和初期にかけての怪奇幻想文学隆盛の揺籃ともなったのであった。戦中戦後の混乱期を経て、その余波は遥かに平成の怪談文芸興隆へも及んでいるとおぼしい。本会の試みは、おそらくは朗読史上初の試みであろう。
ちなみに杉浦日向子『大江戸観光』(ちくま文庫)所収のエッセイ「怪談」の中で、作者は百物語の「正しい方式」を記述している。
〈用意するもの〉
(1)灯心百本
(2)灯油
(3)灯油皿
(4)青い紙を貼った行灯
(5)鏡一面
灯油を満たした皿に灯心を百本放射状に並べて差し入れ、行灯にセットして、百本の灯心全部に火をともします。これを、話をする部屋から二部屋おいた先の部屋へ置き、その行灯の横に小さな机を並べ、鏡を一面、立てかけます。部屋及び周囲に刃物があれば全てまとめて、遠くへ片付けます。もちろん、そういうものを一切身につけていてはなりません。
集まった人々は内側を向いて円坐を組み、ひとりずつコワイ話をして行きます。一話終えるたびに席を立ち、次の間を通り抜けて、その先の部屋にある灯心を一筋引き抜いて、そして、横の鏡で自分の顔を確かめて帰って来ます。
この時、通り抜ける間の部屋には照明ナシという決りなので、手さぐり足さぐりで行くことになります。皆が話をしている部屋も照明ナシです。原則として、「月暗き夜」といわれますから、ホントにマッ暗なわけです。
灯心を抜きに行っている間も話は続けられます。灯心抜きの行き帰りに妙なものを見、あるいは聞いたりしても、進行している話を中断してはなりません。九十九話(江戸の中期までは九十九話で打ち止めにするのが正式でしたが、後期になって、字義どおり百話することになりました)あるいは百話終ったところで報告します。
九十九話でやめる場合は「安全策」のほうで、残った一筋の灯心は、夜が明けるまで灯しておいて皆々眠らずに朝を待ち、解散します。百話のほうは、最後の一本を抜き去ったとたん、真の闇となり闇の中で「怪」を待つという、トンデモナイ暴挙となります。
さて、この朗読会が百話語り終えたとき、どのような怪異が起きるのでしょうか。最後までお付き合いいただけますか?

レギュラー
矢内のり子

劇団「ザ・スーパー・カムパニー」にて、女優として活躍。その後、朗読を山内雅人氏に学ぶ。現在、長池ネイチャーセンター朗読の会(八王市)講師。NPO日本朗読文化協会認定講師。朗読ユニット“アンシャンテ”主宰。松田建仁と、朗読と篠笛の“ゆにっと玉響”共宰。ドラマチックリーディングを提唱。
河崎卓也

1964年北海道生まれ。16年のIT系エンジニアのキャリアの後、演劇の世界に足を踏み入れる。特定のカンパニーには所属せず、俳優として多くの演出者のもとで経験を積む。声・ことば・演技・歌を磯貝靖洋に師事、「ことばぢから」を磨いている。NPO日本朗読文化協会第2回朗読コンクール最優秀賞受賞。
朗読ユニット“ことのは楽団・くぅ”メンバー。
「ことのは楽団・くぅ」WEBサイト
http://ku.taku-zo.com/
河崎卓也WEBサイト
http://www.taku-zo.com/
伊達裕子 [第五夜まで出演]

都山流尺八師匠の父の影響で、子供の頃より琴三味線の音色に親しむ。その表現の世界がいつのまにか形をかえ朗読に。NPO日本朗読文化協会第1回朗読コンクール優秀賞、同第2回、奨励賞受賞。第13回国際芸術連盟朗読オーディション合格。朗読グループ「かたかご」代表。“ことのは楽団・くぅ”共宰。
ゲスト
高山正樹 [第一・二・八夜出演]
「山猫合奏団」メンバー。「最後の講釈師」と呼ばれた故小金井芦州に出会って、三日で芦晃という名を頂戴。前座で修羅場を語り、本牧亭売店のおばちゃんに、久しぶりにいい講談を聞かせてもらったと褒められた。しかし若手の講談師に、役者の片手間に高座に上がることを責められ、芦州の元を去る。僕のプロフィールは、芦州との思い出だけでいいと思っている。
M.A.P.主宰。
金田瑠奈 [第三夜出演]
武蔵野音楽大学声楽科卒業。
様々な舞台、コンサート、ショーで活躍。(“ハムレット”よりオフィーリア役他多数)
又、音楽コンサート、舞台、ショー、イベント、ユニセフ、他、で朗読、MC、ナレーション活動。
2007年国際芸術連盟第13回朗読オーディション合格、奨励賞受賞。
2008年NPO日本朗読文化協会第2回朗読コンクール入賞、奨励賞受賞。
2008年国際芸術連盟朗読芸術賞受賞。
国際芸術連盟朗読家会員。
朗読ユニット“ことのは楽団・くぅ”メンバー。

第八夜
2010年10月16日(土)17:00
「悋気の火の玉」(矢内のり子)
「もう半分」(河崎卓也)
「紅い手(夢丸新江戸噺し)」(高山正樹)
第七夜
2010年3月12日(金)19:00
星新一「門のある家」(河崎卓也)
倉橋由美子「幽霊屋敷」(矢内のり子)
第六夜
2009年12月5日(土)17:00
原田宗典「14階からの視線」(矢内のり子)
小酒井不木「死体蝋燭」(河崎卓也)
第五夜
2009年9月25日(金)19:00
小林恭二「将門公異聞」(河崎卓也)
宮部みゆき「送り提灯」(矢内のり子)
岡本綺堂「木曾の旅人」(伊達裕子)
第四夜
2009年6月20日(土)19:00
小松左京「牛の首」(河崎卓也)
室生犀星「ゆめの話」(河崎卓也)
吉屋信子「かくれんぼ」(矢内のり子)
泉鏡花「高野聖」(伊達裕子)
第三夜
2009年5月16日(土)19:00
小川未明「赤い蝋燭と人魚」(金田瑠奈)
内田百閒「とおぼえ」(伊達裕子)
大仏次郎「銀簪」(河崎卓也)
第二夜
2009年3月14日(土)19:00
夏目漱石「蛇」(高山正樹)
川端康成「片腕」(河崎卓也)
上田秋成「蛇性の淫」(伊達裕子)
第一夜
2009年2月14日(土)19:00
渋澤龍彦「女体消滅」(河崎卓也)
江戸川乱歩「人でなしの恋」(矢内のり子)
泉鏡花「海異記」(伊達裕子)
遠藤周作「蜘蛛」(高山正樹)